バイクといえば忘れちゃならない、日本のバイク乗りの55%(推定)が心の故郷としているのが仮面ライダー。
もっと遡れば月光仮面もバイクに乗っているわけですが、なぜだかバイクといえば仮面ライダー。
もっとも最近はガンダムと同じく「仮面ライダー」は固有名詞ではなく形容詞になりつつあるので、平成の仮面ライダーはそれほどバイクに乗っちゃいませんが。
そんななか、バットマンビギンズに便乗しようインスパイアされたか初代ライダーをリファインして作成された映画が「仮面ライダー THE FIRST」。
勿論タイトルに相応しくバイクがスクリーンを駆け回ります。
CBR1000のカラーリングを変更しただけのサイクロン1号
CB1300にマシュマロのようなカウルをつけたサイクロン2号
手を抜いたとか言うなかれ。1号は元のCBRが格好よいので、玩具ぽい装飾をほどこすよりよほどいい判断だと思います。
2号はデザイン的に微妙ですが、旧シリーズのイメージからこれは外せなかったのでしょう。
ホッパー=仮面ライダーの造形がよいので、ルックスとしては申し分ない仕上がりになっています。
主役の黄川田将也はちょっと軟弱なイメージがあるものの、これもイケる感じです。
と、ここまで持ち上げておいて、ここからが突っ込みサイドになるわけですが、脚本、演出、物語の根幹を成す部分がまるでダメな感じです。
予算がないだろうことは織り込んだとしても、スクリーンにほとんど主要な登場人物+怪人しか出てこないため映画ならではのスケール感みたいなものがないです。
敵が悪の秘密結社だからモブシーンとかはナンセンスになるといえばなるのですが、寂しいことこのうえないです。
もっと最悪なのが脚本。
90分と映画としては短い尺だからもっとエピソードを絞ればよいのにと思うのだが、サイドストーリぽいウエンツのパートに時間を割きまくった上に、その内容が意味なさすぎるので、見ていて勿体なくて仕方ない。エピソードにちょっとした仕掛けがしてあるものの、それが本編との脈絡がなさすぎて浮いてみえます...
悪側のエピソードにも厚みを持たせたかったものと思われるが、空回りもいいところ。
まぁ全体の構成自体はさほど悪いわけではなく、敵の怪人は4体も出るし、合間合間に適度にアクションシーンを織り交ぜて、飽きさせない工夫も買えるでしょう。
何が足りないかっつうと、物語の芯となるテーマなんですよね。
インスパイア元のバットマンビギンズでは、ヒーローの決意やらトラウマとの対峙などが描かれ、スパイダーマンでは人を助けることの尊さが話の核になっているといえるでしょう。
で、この映画の芯といえば国語の読解問題のように主題を捻り出すとすると「美しいものは守りたい」ですか?うーん、薄っぺら...
あとは、絵空事になりがちな空想モノにリアリティを授ける、ディテールの積み重ね。
バットマンビギンズでは、バットマンの装備ひとつひとつにいちいちもっともらしい説明を付けてます。
大人の鑑賞に堪える作品、洋画のヒーローものみたいに「カネになる」映画にするには、この2点をクリアする必要があるかと思います。
または「少林サッカー」のように突き抜けるか、「マッハ!」のようにビジュアル映えするワザで押しまくるかでしょう。
東映といえばヒーローものの大御所ですが、その最新作がこのレベルなので、現在のこれが和製ヒーローの限界といえるでしょう。ヒーローものが市民権を得るにはまだまだ時間がかかりますね。
疲れた夜にサラリと見る分にはお奨めですよ(と一応はフォロー)。
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